モバイルワーク導入に際しての考察(メモ)

昨日アップした、グーグル時代の情報整理術で、社外におけるE-mailの裁き方が載っていた。
ここで、そもそもモバイルPCやiPhoneBlackBerry等を利用したモバイルワークを導入する際の問題点を自分の頭の整理の為に、述べておきたい。

読む人には「当たり前」の事ばかりだと思いますが、ご容赦を。
まだ会社の外での業務を実施させていない(もしくはしていない)会社が、新たに携帯情報端末やモバイルPC等を供与して在宅勤務やモバイルワーク、ノマドワークを社員にさせる場合、下記のような課題が考えられる。


1.テクノロジー
先ずは、目的に合致したテクノロジーが市場で提供されているのかが問題となる。
具体的に言うと、iPhoneBlackBerryAndroidスマートフォンやモバイルPCが既存の社内のメールやグループワークのシステムと問題なく適合するのか、適合しないのならば、アップグレードやカスタマイズ、開発ができるのかが問題となる。
また、社外からの社内ネットワークへのアクセスを可能とするならば、それはすなわち、セキュリティのリスクにも繋がる為、それに対応できるテクノロジーも提供されているのか、も検討しなければいけない。


2.健康の問題
上記のテクノロジーが提供されると仮定した場合、めでたく24時間いつでも仕事ができる環境が提供される。
しかし、これだけでは、単に社員の業務時間の長期化を招くだけで、抑制する方向には決して働かない。
業務時間の長期化は、昨今では大きな問題となりつつある、精神的な病気や、もちろん肉体的な病気やひいては過労死に繋がるリスクが飛躍的に高くなる。


3.法律的な問題
2.の様な業務時間の長期化が認められ、過労死になった場合、会社側としては上長の指示によって業務をしていたような痕跡があった場合は、法的なリスクはさけられない。


4.マネジメントの問題
24時間仕事ができる環境になった場合、部下をどのようにして管理していけば良いのだろうか。
私自身、決して自分の部下が目に見える距離にいなければいけないとは思っていない。
しかし、自分が寝ている時間も仕事をしている部下までもなめ地面としなければいけないとなると、これはこれで難しいと思う。


5.コストの問題
勤務時間が長期化した場合、当然のことながら、当然働いた分だけを賃金で支払っていく訳だが、際限なく長期化すると当然、コストが増加していくことになる。
当然それを回避する為に(本来はそうではないのだが)、裁量労働制成果主義といった形態を導入していくのだが、業務形態のよっては必ずしも裁量や成果が明確にならない業務形態もある。


5.情報漏洩の問題
一番の問題は、ハードウェアを紛失した際に情報が漏洩する事である。
ハードディスクの暗号化やリモートによる危機内部の情報の削除等対応策はあるものの、社外へ機器を持ち出す以上漏洩のリスクからは逃れられない。
技術もいたちごっこである為、結局どこまでの漏洩リスクを許容できるかの判断となってしまう。
例え機器からの漏洩リスクをクリアしても、作業用に家に持ち帰る紙書類等も伴う為、付帯媒体からの情報漏洩リスクも考えられる。

6.まとめ
結論から言うと、以上のようなリスクをとっても、24時間業務をさせる環境を提供した方が、社員の売り上げが上がるというような場合には、導入を検討しても良いのだろう。