サイバーアーツジャパン アルスエレクトロニカの30年 ARS ELECTRONICA @東京都現代美術館

東京都現代美術館で行っていた、サイバーアーツジャパン展にいってきました。


そもそも、美術なんて余り縁がないのですが、たまには刺激になるかなと思い、足を伸ばしてみました。


見に行って印象的だったのは、展示品の多くは(感覚的には半数以上)、見ている人が触ったり、音を出したり、操作したりする等、何らかのアクションをすると、音が出たりとか、動いたりとか、映像が出たり、するものが多かったということです。


当たり前と言えば、当たり前なのかもしれませんが、この辺が伝統的な絵を描いたり、彫刻を彫ったりといったアートとは大きく違う所なんだと思います。


誤解を恐れずに言うと、絵画や彫刻等の古くからのアートは、創る人が最終形までもっていくのに対して、今回見たアートは、見る人が参加をしないと本当の意味では最終形にはならないのです。


言葉を変えて言うと、現代のアートは物理的な作品そのものを創るのではなく、ある一定の幅を持った結果(音なり、映像なり)を創りだす環境(仕組み)を創ることへと変化しているのではないかと思いました。


こういう発展を遂げたのは、技術の発達は勿論ですが、技術へのアクセスが容易になったのも大きいと思います。
青い色を出す顔料を手に入れるのにも莫大なお金がかかった時代もあったので、パトロンが付かないと絵すらかけなかった時代から、現代ではノートPCですら5万円以下で買える時代です。
以前TVで映画監督の岩井俊二さんが、「映画は見るものではなく、作るものでもあるので、みんなもっと気軽に映画を作ってほしい」といった趣旨のことを言っていましたが、まさにそういうことで、ビデオやカメラ等本当に良い映像が撮れる機器がかなり安く提供されています。


こういった、アートに取り入れられる技術、素材にアクセスがしやすくなったことで、表現の幅が広がっていき、更に作品自体の幅も広がってきたのでしょう。


そう思うと、大胆にも「なんか自分でも創れそうかも」なんて思ってしまいますが、そんなことは即刻頭の外へ蹴りだすことにします。


思ったよりも、心地よい刺激が受けられ、ご機嫌な時間が過ごせました。