あ〜ぁ、楽天イーグルス

この本は、一言で表すと、
「人間愛、野球愛、楽天イーグルス愛が語られた本」
と言えます。

今までの本と新しい部分は、楽天の選手についての評価が加わった所でしょうか。後の部分については、過去の氏の本で軽重はあるものの触れられていると思います。

文脈から、解雇が本当に悔しかったということが読み取れて、その点では、他の本とちょっと違うのでしょうか。


結果が全てとは言うものの、その結果を得る為にプロセスを重視、準備を重視するべきという部分も、今までの野村氏の本の内容でしたが、今回改めてそれを読んでみて、ある確信を得た気がしました。

それは、準備を重視するという事は、現在実践している、GTDの考え方に似ているという事です。
自分にとっては、GTDこそ正に準備をする為の手法なのです。
「収集」〜「レビュー」までが準備で、「実行」こそまさに試合、つまり自分にとっては仕事場です。
「実行」レベルになってしまえば、本当に楽に仕事がさばけます。つまりそうなるように準備をする事こそが大切という事なんだ改めて思いました。


また、野村克也氏程の人でも「野球とは何か」と問われると「分からない」としかいえないという行は、まだまだ道を究めようとする貪欲さと、野球に対する深い愛情を感じました。
とともに、自分自身もまだまだ日々努力を欠かさないでいこうと思わされました。

第一章 あ~ぁ、楽天イーグルス
解雇通告/負けないという自負/孫正義氏からのメッセージ/”くそったれシリーズ”の開幕

第二章 楽天のその後
監督だけではチーム強化できない/理想的だったヤクルト/どうしようもなかった阪神/オーナーの意識改革/野球と楽天オーナー/経営は黒字というが…… /進まなかった補強/一勝もできなかった台湾投手に一億円/編成部がガン/人情を解さない楽天幹部/まだまだ発展途上/ブラウンの次は古田?

第三章 楽天と貧乏くじ
あえて貧乏くじを引いた理由/弱いチームを強くする/はじまりは今回も意識改革から/「プロ」とは呼べなかった選手たち/このチームは私に合っている

第四章 楽天再生工場
山の復活を生んだ「頭を使え」のひとこと/ホームラン量産の裏にあった事前の準備/中心選手とは/身体をはってチームを鼓舞/鉄平に感じた不満/成長の証のファーストゴロ/「これが十八歳の投げる球か」/田中の最大の長所は修正能力/真のエースに必要なこと/岩隈非難の真意/鉄は熱いうちに打て/新人・嶋を抜擢した理由/草野に望むこと/一芸に秀でたスペシャリストを登用/安物の天才/第三の男・永井

第五章 選手と戦い続けた四年間
少しずつ根づき始めた無形の力/一に準備、二に準備/ようやく成果が見え始めた三年目/接戦を制し、四位浮上/致命的だった抑えの不在/ぼやきは理想主義の証/選手は監督の敵/よい結果はよいプロセスから生まれる/中心が責任を果たし、再浮上/随所に見られた「考える野球」

第六章 野村のDNA
真のチーム強化/偉大だった川上監督/人間教育をしてはじめて人を残せる/「野村メモ」で変わった池山/私によって野球の見方を変えられた広澤/広澤の走塁ミスから生まれたギャンブルスタート/超二流選手の重要性を説いた橋上/飯田が学んだ役割をまっとうすることの大切さ/田畑―野村再生工場の最高傑作 /指導の楽しさを学んだ渡辺/野村ノートを持ち歩く遠山/敵を知り、己を知る/新井と島野/三球団で私を支えてくれた松井/韓国にも根づく「ノムラの考え」/楽天の未来を担う選手たちへ