明日のテレビ
一言でいうと、アメリカのテレビ事情を紹介して、日本のテレビがどうなるかを読み解こうと試みている本です。
この本は、「アメリカは3年後の日本を予言している」という仮説にたって、日本のテレビの未来を考えようとしています。
10年くらい前の単純な仮説からのアプローチが、かえって斬新だと思いました。
話の筋は、①コンテンツは今まで、番組制作会社のみが作っていたのが、YouTube等によってコンテンツが手軽にシェアされることになったので、コンテンツ供給元が事実上増えてしまった。②流通手段も電波のみだったのが、光回線、ADSL、WiFi、3G等色々な手段が増えた。③コンテンツを見るデバイスもテレビだけから、PC、スマホ等色々増えてきた。
①〜③の為に、テレビを通してのみしかコンテンツを供給してこなかったテレビ制作会社は、Huluなどでテレビ以外でも作品を見られるようにしたり、変革をしている。という事だと思います。
ただ、これ以外にもiPadの話だとか、3Dテレビの話だとか、電波オークションの話だとかとにかく色々な話が出てくるので今ひとつ全体がまとまりがない印象を受けました。
もうちょっと、テーマを絞って書いたほうが良かったような気がします。
また、「3年後を予言している」としていながらも、特に結論めいた話もないので、何となくひたすらテレビに関連することをただ書きまくっただけに終わってしまっているのが惜しいです。本というより、大学のレポートといった感じでした。
- 作者: 志村一隆
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/07/13
- メディア: 新書
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