僕が2ちゃんねるを捨てた理由

このひとの著書を読んだのは初めてでした。理由は何となく敬遠していたというのが理由です。
印象としては、2チャンネルの管理人をしていたせいなのか、かなり様々な物に対して断定的な話し方をします。その辺が、ウケているせいなのでしょうか。
一方で、「資料を調べて論理的に述べているだけ。」と言ってはいますが、かなり全体感がある人というか、物事の大きな絵が見えている人なのかなという印象を受けました。
面白かったのは、TV番組とネットの話でした。

番組の改編時期に番宣を何度もやって、広告料を時局で払っているという話が出てきますが、個人的にもドラマの番組宣伝の為に、役者さん達が1日中他の番組に出ていたり、4時間も番組宣伝のための特別番組を放送したりというのに違和感を覚えていました。
以前よりも改編時期の特別番組を放送している期間が長くなっているような感じがしているし、その原因は、番組の質の低下が原因で、それをカバーするために番組宣伝に力を入れているのかもしれません。
確かに、最近のTVはつまらなくなっていますよね。人気のある役者だけをひたすら投入して、それでも飽き足らなければ、今度はまとめて投入して番組を作ったりして、かなり悲壮感漂っているというか、痛々しいですよね。
日本も、アメリカのドラマほどではないですが、今はDVDの売れ行きもある程度計算できるようになっているのですから、もっとお金をかけて番組を作るべきではないでしょうか。もしかしたら、スタッフやそれこそタレントの人件費が高くて採算が取れないのでしょうか。
それなら、もっと人件費を下げてもやっていけるようなビジネスモデルにするべきでしょうね。
日本も海外の市場を視野に入れてコンテンツを作っていくべきだ、という部分がありましたが、僕もこれには賛成です。
これは、必ずしもハリウッドのようなドラマを作るべきだと言っているわけではありません。それこそ韓国映画のようにハリウッドの真似でコンテンツを作っても、本場にはかなわないどころか、真似の経験が長い韓国のコンテンツにも勝てないかもしれません。
でも、「送り人」をはじめとして、ハリウッドの評価を受けるようなコンテンツの作成能力は日本にもあると思いますので、そういった路線のコンテンツ作成を目指すことは一つの方向ではないでしょうか。
一つ問題なのは、こういったコンテンツは、日本に留まっている段階ではそこそこの評価にとどまる場合が多いので、最初の予算組が難しいところでしょうか。
そこで、先ずはアジア市場をターゲットにしてコンテンツ作りをしていくのはどうでしょうか。アジア市場なら、国内のテイストと国外のテイストのギャップがそれほど大きくなく、コンテンツが目指す方向性が定めやすいかもしれません。

話が、書評がそれてしまいましたが、どちらかというとTVとネットの関係の話が中心で、題とはちょっと違った内容の本でした。(当然それ以外のことも書いてありますけど。)

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)