仕事するのにオフィスはいらない

こういう本は、往々にして自分の仕事の仕方だけど紹介する内容に偏りがちなんですが、この本はノマド・ワークスタイルをできるだけ一般化して紹介しているところが、好感が持てました。
ワークスタイルを専門としている身からすると、Googleの社員がiPhoneだけを持って外に仕事に出かけるという話なんかは、すごく興味深く読めた。
働く場所というのは、既にオフィスだけにとどまらず、人がいるところは何処でも働く場所になりつつあります。
自分自身でも、iPhoneやその他のガジェットやクラウドサービスを使っていて、強く実感するところです。
その中で、企業がどのようにしてこれらの働く場を提供していくかは、IT技術の発達が早いだけに、大きな課題だと思っています。
特に、企業が本書に紹介されているノマド・スタイルの働き方を導入していこうとした場合、もう一方で年々重要視されている情報漏洩の問題や情報セキュリティの問題への対策がこれらの働き方を導入する場合大きな足枷となる事が多いです。
もう一つ問題となるのは、企業文化だと思います。
つたない個人的な経験を元に話をしますと、個人的にはとても魅力的なノマド・スタイルの働き方も、企業の文化に合ってこそのものだと思います。
これは、必ずしも企業の組織形態が古いから合わないだけではないと最近では思っています。
企業には、その企業に合った働き方があるのではないか、というのが最近の自分自身の思いです。

こういう考えを整理させてくれる本でした。

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)